銚子マリーナブログ

Heading to the Pacific coast for the weekend.

もやいは消耗品の現実



この写真はショックアブソーバー付きのもやいロープです。
新品購入からまだ1年未満でした。
台風や低気圧による強風・突風の際には通常の数倍の力が一瞬に凝縮してかかってきますので銚子の場合は消耗速度が早いと思います。

もやいをとる場合には、ご存知のとおりバウライン・スターンライン・スプリングラインの三つが基本になります。
この基本のラインにテンションが分散するようにもやいをとることが、ロープの寿命を延ばすことになるのですが、消耗品と言われる所以は、基本に忠実に取り回していてもロープは痛み、切れるということです。

一番間違いやすいのが、スプリングラインの取り方です。
スプリングの定義にはいろいろありますが、ここでは一般的に船首方向から船尾方向へのスプリングと船尾方向から船首方向へのスプリングについて書きます。
スプリングという言葉から、補助的なロープのような印象を受ける人も多いのです。確かに補助といえば補助なのですが、ロープのテンション(張る長さ)が重要です。
船が前方に押される場合、スタンラインと船首からのスプリングが同時に張り切るように長さを調整します。
同様に船が後方に押される場合は、バウラインと船尾方向からのスプリングが同時に張り切るように長さを決めます。

一般的にバウ・スタンはクリートを介してダブルにとりますが、この時も2本のテンションが同時に効くように調整します。
クリートが「お団子」になってしまうと、後から取ろうとするロープが決まりにくくなるので、クリートはシンプルに!

すなわち、船が前後に行こうとする場合には、バウ・スタンの2本とスプリングの1本、計3本のロープに同時に力がかかるようにしなければならないのです。3本のロープで力を分散させるためです。

スプリングを補助的なものと考え、なんとなく決めていると力が分散されないので、どこかのロープだけが辛い思いをして(笑)耐えきれなくなり断裂ということになります。

大きな船で、バウ・スタン・スプリング・その他に何本もロープをかける必要がある場合にも、前後左右に船が揺れた時の各ロープに掛かる力をいかに分散させるかということに注意をされると良いと思います。

長くなってしまった(笑)