海が足りねえ！

船に乗って海に出る。
ヨットでもボートでも。

震災直後から本日まで、マリーナ内の作業でボートには乗ったものの、以前のようにお客様と同乗したり、試運転に出かけたり、チャータークルーズで出かけたり、そういった海に出るという行為そのものが今はない。
船を無くした方々も同様であろうと思う。

海が好きで、船が好きで、日常の中にあった「海・船」が無い事がこんなに辛いということをしみじみ感じている。

少し前までは、震災後のいろいろな対応に追われ、このような感覚にさえなれなかった気がする。
これも、マリーナにおいて人的被害が無かったからの事であり、スタッフの家族を含め、全員命が助かったからこその思いなんだと感謝したいと思う。

で、海が足りねえ！！っていうのは、自分がマリーナに来る数年前のこと。仲間数人と油壺というところで小さなヨットに乗りＢＢＱやセーリングをして遊んでいた頃の話。
私の仕事が色々と忙しくなり、油壺に行けなかった時期、なぜか苛ついたり、愚痴をこぼしたりという情けない自分がいたわけ（笑）当時はヨットの操船は免許も含め私のみだったので自分が海に行かないと仲間も海に出られなかったわけで、仲間もストレスを感じていたんだと思います。
いよいよ、仲間同士でもストレスを感じ始めていた頃、今後の活動をどうするか、解散するかまで話が出たとき、仲間の一人が「全員、海が足りねえんだよ！」と。

各自、時間と仕事をやりくりしてセーリングに出ました。
その日はコンディション最高で、久しぶりにフルセールで
かっとんで、大騒ぎして、戻ってきました。
そして、全員の笑顔と結束が戻りました。

やっぱり「海が足りなかったんだ」（笑）

今、目の前に海があるのに、マリーナは復興途中。
一日も早く何とかしたいと願う。

「海が足りねえええええ！」と大声で叫び、明日に向かって
ガンガン進んでいきたいと思っている。